会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
文書作成日:2012/1/12



 近年、人に関するトラブルが多くの企業で頻発しています。こうした時代には経営者や管理職のみなさんも労働基準法を中心とした人事労務管理の基礎知識を身に付けておくことが不可欠です。そこでこのコーナーでは、経営者や管理職が最低限知っておきたい人事労務管理のポイントを会話形式で分かりやすく解説していきます。今月は、休憩時間の定義と与え方について取り上げています。




 木戸部長は、ある営業所の事務職員から「顧客対応で休憩時間が十分に取れない」という相談を受けた。そこで、この問題にどのように対応すべきか、社労士に相談することにした。


 先生、こんにちは。昨年は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 こちらこそよろしくお願いいたします。今日は、休憩時間のことでご相談があるとお聞きしましたが、どのようなことでしょうか?

 はい。先日、従業員より「お昼休みに取引先から電話がかかってくることがあり、その対応のため、休憩時間が十分に取れなくて困っている」と相談を受けました。この場合、どのように対応したらよいのか、相談にのってください。

 なるほど。このような実態は多くの会社で見られますね。まず休憩時間について、労働基準法の中でどのように定められているのかを確認しておきましょう。労働基準法においては、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないとしています。この労働時間が6時間を超える場合とは、始業後6時間が経過した時点で45分の休憩を与えなければならないという意味ではなく、労働時間が6時間を超え8時間までの場合は、その労働時間の途中に45分の休憩を与えるという意味となります。

 休憩時間は、労働時間の途中に与えなければならないという点がポイントですね。

 そうですね。また労働者の過半数代表者と書面による協定がある場合を除いて、原則としてその休憩時間は一斉に与えることになっています。これは休憩時間としての効果を上げるために、従業員ごとにバラバラに休憩時間を与えるのではなく、一斉に与えることが望ましいという考えに基づいています。


 従業員から相談のあったように、当社の場合、正午から午後1時までの1時間を休憩時間として設定していますが、取引先から電話がかかってくると、どうしてもその対応をしなければならないという問題が発生してしまいます。

 そうでしょうね。顧客サービスを考えれば、お昼休みの間を留守番電話にしておくということもできないでしょうから、どうしてもそうした状況が起きやすいのだと思います。しかし、そもそも休憩時間とは、労働者が労働から離れることが保障されている時間のことを言います。実際には業務をしていないものの、電話がかかってきたら対応できるように待機している時間については「手待時間」と呼ばれ、労働時間として取扱う必要があります。

 実際に電話当番をしたか否かに関わらず、その時間は手待時間となるのですね。それではどのように現状を解決したらよいのでしょうか。

 この場合、電話当番を決め、その当番になった従業員については、例えば午後1時から1時間の休憩時間を別途与えるといった対応を考えるべきでしょうね。このように、休憩時間を一斉に与えることができない場合には、「一斉休憩の適用除外に関する労使協定書」を締結しておく必要があります。

 そうですね。業務の生産性を高めるためにも、しっかり休憩時間をとり、リフレッシュすることが重要だと思うので、当番制を導入してみることにしましょう。木戸部長、具体的な運用方法を考えた上で、労使協定についても準備しておいてくださいね。



 わかりました。

>>>次回に続く



上記では、休憩時間の定義・与え方について取り上げましたが、休憩時間中の外出についてもよく問題となることから、この取扱いについて取り上げましょう。労働基準法において、休憩時間は労働者に自由に利用させなければならないとされており、その時間を利用して外出することは当然可能となります。しかし、施設管理者である会社としては、休憩時間中であっても従業員が会社の施設内にいるか否かを把握しておきたく、外出について許可制をとることはできないかと考えるでしょう。この取扱いについては、通達(昭和22年9月13日 発基第17号)が出されており、「休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を害わない限り差支えない」とされています。このことから、許可制ではなく、必要最小限のルールとして届出制とする程度であれば問題ないと考えます。。



※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。


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