人事労務ニュース
文書作成日:2010/08/31
平成22年9月1日より年金を受給しながら働く労働者の社会保険料の取扱い特例が変わります。

 現在、定年(65歳未満のものに限る)の定めを行っている企業においては、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律により、労働者の65歳までの安定した雇用を確保する義務が課せられています。具体的には@定年の引き上げ、A継続雇用制度の導入、B定年の定めの廃止のいずれかを講じることが求められており、実際の企業の対応を見ると、Aの継続雇用制度の導入が行われ、その処遇については60歳で継続雇用を行う際に賃金水準を引き下げる例が多く見られます。そこで以下では、このような定年後継続雇用される従業員の社会保険の取扱いと、平成22年9月1日より改正される年金を受給しながら働く労働者の社会保険料の取扱いについて解説したいと思います。

  1. 定年退職後の継続雇用された際の社会保険料の取扱い
     通常、賃金水準が引き下げになった場合、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料)は、固定的賃金の変動があった月から3ヶ月の間に支払われた賃金の平均月額により見直しが行なわれます。ただし、60歳から64歳までの年金を受け取る権利のある労働者が、定年退職後、継続して再雇用される場合には、退職した翌日付けで社会保険の資格喪失と資格取得を同時に行うことができるという特例措置があり、引き下げとなったその月から再雇用後の賃金額に応じた標準報酬月額に見直すことができるとされています。

  2. 平成22年9月1日以降の改正点と手続上の留意点
     上記の取扱いは、定年による退職後の継続雇用時に限られていましたが、平成22年9月1日以降は、老齢厚生年金を受け取る権利のある60歳から64歳までの社会保険の被保険者にこの取扱いが拡大されます。具体的には以下の方が新たに対象となります。
     @定年制のある会社で定年に達する前に退職して継続再雇用※される場合
     A定年制のない会社で退職後、継続再雇用※される場合
      ※1日も空くことなく同じ会社に再雇用されることをいう。

      手続においては、被保険者資格取得届に退職後、新たな雇用契約を結んだということを明らかにできる書類(退職したことが分かる書類、再雇用時の雇用契約書または事業主の証明等)を添付する必要があります。また、この社会保険料の取扱いはイレギュラーなケースとなることから、手続漏れがないようにしておくことが求められます。

■参考リンク
日本年金機構「嘱託として再雇用された者の被保険者資格の取扱いの一部改正について」
http://www.nenkin.go.jp/new/topics/kounen_0816.html



※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。



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